園子温監督による俳優のための実践的ワークショップ

アクターズ・ヴィジョン代表マツガエです。

表題の通り、園子温監督による俳優のための実践的ワークショップを行います。

園子温監督がワークショップをやる!?」そのこと自体が驚きであるとともに、なんと今回のワークショップでは、映画を撮ります。しかも長編、もちろん園子温監督が脚本・監督をつとめる新作オリジナルです。そして主演を含めた全役は、すべてワークショップ参加者からのキャスティングという、驚くべきワークショップとなります。

どうしてこんなことになったのか、経緯をお話しします。

桜の咲く頃、あるプロデューサーから園子温監督に会わないかと話がありました。園さんがワークショップをやってもいいと言っておられると言うのです。しかも、そのワークショップで「カメラを止めるな!」みたいなワークショップ映画を作りたいと話しておられるらしい、と。

「そんなまさか」と思いました。というのも、何年も前に、園子温監督にワークショップの講師をしてもらいたいと、監督のことを知っている人にアプローチをお願いしたのですが、「監督はワークショップなんかに興味は無いから無理」と聞かされていたからです。その園子温監督がワークショップの講師をするというのだけではなく、しかもワークショップ映画を撮るなんて、そんなことあるわけない。そう思っていましたが「まあ会ってみろ」という勧めに従い、お会いすることにしました。

お会いするなり、僕は監督に言いました。「監督はワークショップをやらないと聞いていましたので、今日は半信半疑で来ました」と。すると園さんは笑って「病気でニコラス・ケイジとの仕事が秋にずれちゃって、それまで時間が出来たこともあるし、「カメラを止めるな!」をみたらすごい可能性を感じたというのもあるし、新しい俳優たちとも知り合いたいというのもあるし、色々考えてワークショップ映画を撮るのも悪くないかなって、本当に思っているんだよ」と。そして逆に監督は僕に聞いてきました。「ワークショップをやるとして、キミはどういうことを考えているの?」と。これに対して僕は普段から考えていてなかなか実現できていないアイディアを口にしました。「監督と俳優たちと、どっか離島に行って1か月ぐらい、ワークショップしながらそこで映画を撮ってしまうっていうのを、いつかやりたいなと思っています」監督は目の色を変えて「なるほど、それは面白いね」と言うと、園さんご自身がずっと温めている映画のアイディアをいくつも話してくれました。それらのアイディアは、ここではバラしませんが、いずれも園子温監督ならではの、刺激的な、そして人間の本質を見据えた、作られるべき映画、いま日本に、世界に、必要な映画であり、園さんしか作ることのできない映画、そのアイディアでした。もしそういった映画を作ることができ、そしてうちのワークショップに来るまだ無名の俳優たちをその映画で活躍させることができたら、それはどんなにか素晴らしいことだろう。そう思うと居ても立っても居られなくなり「ぜひともご一緒させていただきたいです」と興奮気味に言うと、監督は「それじゃあ」と言って合宿ロケ地の提案までしてくれました。そして「おいおい日程とか決めることにしよう」と言うと、握手をし、にこやかに解散したのでした。

次の日の朝、起きるなりつぶやいてみました。「なんと園子温監督とワークショップをやることになった。しかも映画を作るなんて」。すると先輩に「でも、日にちは決まってないんでしょ?それだと告知もできないし、それに、本当に約束したという確証も無いから、あとでそんな約束をしてませんよと言われたら終わりだよ」と言われ「確かに」と不安になった僕は、とにもかくにも日程を決めようと何度か人を介して園さんに連絡。しかしお忙しいようでなかなかつながらず、ずるずると日にちは過ぎて、ああ、もしかすると、この企画は幻に終わるかも…と思っていたある日、監督からショートメールが入りました。「今日、夜にミーティングしますか。〇〇坂で」と。夜というのは時間があまりに曖昧だったので、「19時半に〇〇坂に行きます」と返して、夜、〇〇坂に行きました。珈琲館に入って連絡を待ちました。しかし、待てど暮らせど連絡無く、「待っています」とショートメールをうつも返信無く、これは何か別件が入ったんだなと思い、「今日は帰りますのでまた連絡ください」とショートメールをうつと自宅に帰りました。会うことはできなかったけれども、全く何の連絡もないわけじゃなく、断る感じでも無いから、大丈夫だ、そう勝手に思い込んで帰宅、風呂に湯を張り入ろうとしたところに着信、園さんからの電話がありました。出ると「ごめんごめん、〇〇田で打ち合わせがあって今終わったところなんだ。いまから〇○田に来れる?」とのこと。「はい、行きます」急ぎ着替えると家を飛び出る。40分後、待ち合わせ場所の店に入ると、一番奥に、園子温監督は居ました。周りには僕の知らない方たち数名、そのお一人は「愛のむきだし」「ヒミズ」などほとんどの園子温監督作品の撮影監督をしておられる谷川創平さんでした。

席に通されるなり園子温監督は僕に「合宿はやめよう。俳優たちが通うのが難しいだろうから。それをキミに伝えたかった」と。ワークショップは変わらずやる気でいてくれている。不安に思っていた僕は胸をなでおろすとともに、ここで日程を押さえねばと監督のスケジュールを聞き6月27日~7月6日の10日間と日程も決定。シナリオはいま書いているとのこと。ちょっとでも疑って申し訳ありませんでした。とそんな気持ちで、あとは映画の話で盛り上がる先輩たちの話に耳を澄ましていました。Netflixでやることになるニコラス・ケイジの映画の準備の話やら、ワークショップ映画でやりたいことなど。ワークショップ映画でやりたいことの園子温監督のアイディアを聞いて撮影の谷川創平さんが「それ、すごい面白そうだね。「気球クラブ、その後」につながる何かになりそうだね」と。本当にそう。最近の監督の作品しか見ていない人は、監督を、暴力やセックスやド派手で過激なセンセーショナルな作品を(もちろんそれも大変面白く意義深い作品ばかりなのですが)好んで撮る監督のように思うかもしれないけれども、「気球クラブ、その後」は苦い青春を園子温監督らしい語り口で描いた素敵な作品。あんな感じの作品を今度のワークショップで作れたらなんて素晴らしいのだろう。しかも、あの作品に出ているみんなはその後、日本映画界に無くてはならない人物になっている。今度ワークショップで撮る映画も、10年後にみたら、みんな有名になっていたり、なんてことが園子温監督の映画には起こりうる。

店を出ると僕は園子温監督と別れ、帰る方向が同じだった撮影の谷川さんとJRの駅に向かいました。ホームで電車を待つ間、谷川さんに言われました。「アドバイスをさせてもらうと、園子温と仕事をするっていうのは大変だよ。儲けを考えるならやめておいたほうが良い。とくにプロデューサーは借金抱えることになる。ただ、作品は素晴らしいものが残る。文化財として素晴らしいものを園子温は必ず作る。それをどう考えるかだね」と。考えて僕は答えました。「アドバイスありがとうございます。でも、それを踏まえても僕はやります。やりたいです」と。たしかに借金を抱えたりは嫌だけど、園子温監督の作品を作ることに関われるなんて僥倖がこの機会を逃して再び僕個人の人生に起こるとは思えないし、うちのワークショップに来る俳優たちみんなにこれ以上のチャンスを渡せる機会も二度とないだろうし、そう直観して、僕はこの、園子温監督による、長編映画を撮るという、ワークショップを開催することを決定しました。

長々とすみません。

そんなことで、今回の、やることを決めました。園子温監督の作品に出たいという方は本当に大勢おられると思うので、どんな監督か説明は省きますけれども、最近の作品も、たとえば稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんが出演する「クソ野郎と美しき世界」なんかも当然素晴らしいのですが、初期の作品、中期の作品も素晴らしいのでぜひ全部見ておいて欲しいですし、映画や俳優に関しての園さんの哲学も判るので「獣でなぜ悪い」とか園子温監督の著作もぜひ目を通してみてください。「獣でなぜ悪い」は全文をここに引用したくなるぐらい、僕は考えに共鳴します。皆さんにも共鳴して欲しいし、その上で、園子温監督の作品にメインキャストあるいは主演で出て欲しいと思います。そんなチャンスがあるとしたら参加しないほうがどうかしている、と僕は思うのですが、どうでしょうか?

(アクターズ・ヴィジョン代表 松枝佳紀)


◎ 講師プロフィール

園子温(Sono Sion)

「俺は園子温だ!」(85)で監督デビュー。「男の花道」(86)がPFF(ぴあフィルムフェスティバル)に入選、第4回スカラシップを獲得。「自転車吐息」を製作する。「愛のむきだし」(08)がベルリン国際映画祭フォーラム部門でカリガリ賞と国際批評家連盟賞を受賞。「冷たい熱帯魚」(10)はベネチア国際映画祭オリゾンティ部門で上映される。2019年は、監督と脚本を担当したNetflixオリジナルシリーズ「愛なき森で叫べ」が配信予定のほか、ニコラス・ケイジとタッグを組んだ監督作「Prisoners of the Ghostland(原題)」の製作が予定されている。

<<主要監督作>>


◎ ワークショップ概要

【日程】2019年6月27日~7月6日(10日間)
 ※ 上記の期間で、ワークショップと映画撮影を行います。
 ※ 基本書類で選考しますが、迷った場合、監督面談を行う可能性があります。
 ※ 監督面談ある場合は、6月1日以降6月16日までに行います。

【時間】終日(NG日、NG時間がある場合は相談に乗ります)

【場所】都内近郊を予定(場合によっては、他県への合宿となる可能性があります。合宿の場合は追加で宿泊費・交通費はもらわないで済むように手配します)

【参加条件】
・本ワークショップで撮影する園子温監督作品への出演を希望する者

【参加費用】
・オーディション参加費:0円(応募するだけでしたらタダです)
・ワークショップ参加費:10万円(税別)
※ ワークショップに参加する方は全員映画に出演することになります。

【申し込み締め切り】2019年5月31日23時59分

【選考結果】6月に入って順次落選者から連絡をして参ります。


◎エントリー方法

【1】まずはメールにてエントリーして下さい。

園子温監督による俳優のための実践的ワークショップ」
参加希望の方は、
メール本文に
(1)お名前(本名でも芸名でも構いません)
(2)ふりがな(お名前の読み方を平仮名でお書きください)
(3)性別
(4)生年月日(表記は1982/7/14のように年月日を/で区切り西暦で)
(5)連絡先電話番号(すぐにつながる携帯番号をお願いします)
(6)所属事務所名、担当者名、担当者連絡先電話番号(無所属の場合は無所属としてください)
(7)ワークショップ日程のうち、NG日、NG時間がある方はお教えください。確定でない場合は、NGとなる可能性についてでも構いません。
以上、7項目をお書きのうえ
本人と分かる最近1年以内撮影の「写真」をjpgファイルで1枚添付するか、 所属事務所作成(もしくはご自分で作成)のプロフィールを添付して、 メールのタイトルを「園ws」として、ワークショップ事務局
  actorsvisionjapan@gmail.com
までメールをお送りください。

【2】書類選考を行います。さらに必要なら面談を行います。

【3】合格者に入金の案内をいたします。落選者には落選のメールを送ります。

【4】入金をしていただいた方から、正式エントリーとさせていただき、集合場所や準備、スケジュールについての案内を送らせていただきます。(参加決定)