鮮やかな演技を手に入れるマイズナー・テクニック・クラス2019年10月期

マイズナーテクニック・クラスをアクターズ・ヴィジョンで開催するようになって3年になります。

そもそも、このマイズナー・テクニックを俳優たちに身につけてもらいたいと思ったのは、映画監督による俳優のためのワークショップを運営する中で、ずっと気になったことがあったからでした。

それは、魅力も才能もあるのに、あと一歩の問題があり、なかなかキャスティングが決まらない常連の参加者が多いということです。

もしかすると、そういう人たちは、自分たちのキャスティングが決まらないのは、「たまたま」だと思っているかもしれません。「たまたま」決まらないのであって、何回か受けていればいつかはキャスティングが決まるのだと思っているかもしれません。

しかし、傍目から見ていて、そういった人たちには明らかな問題がありました。

それは「うまいけど面白みがない」「いい子ちゃん過ぎる」「芝居臭い」「セリフがセリフのまま」「生きた言葉で話すことが出来ない」という「演技における根本的な問題」を抱えているということでした。

映画や演劇には、「人間ドラマを演ずるべき中心人物」と、「記号的に存在するべき脇役」が居ます。この両者ともに「俳優と呼ばれる人たち」が演ずるわけですが、「中心人物たち」を演ずる「俳優たち」に求められるのは「リアルにそこに存在し、真に傷つき、真に心を動かし、真に涙し、真に笑い、真に喜ぶこと」です。それに対して、「記号的に存在する脇役」を演じずる「俳優たち」に求められることは「役割をきちんと演ずること」であり、「そのように見えること」です。「登場人物として感ずること」でもなければ「物語の中で真実に生きること」でもありません。同じ俳優ですが、中心人物を演じるかそうでないかで、求められるものが違うのです。

マイズナーテクニック・クラスには、意外にキャリアのある方も多く申し込んでこられています。その多くは、長年、記号的に存在する脇役を求められてきたために硬直してしまっている身体を解体し、物語の中で真実に生きる身体を取り戻そうとされる方です。

映画や演劇、ドラマの中で真実に生きたい人。そのように「見える」のではなくて、そのように「生きる」ことによって、観客に本当の感動を与えたい人。本当の感動を観客に与えたいのに嘘の芝居をしてしまう自分の問題に気付いている人。硬直した芝居をしていて真実に生きていないという自覚のある人。ぜひとも、「根本的な問題」を解決するマイズナー・テクニック・クラスを受講してもらいたいと思います。

「マイズナー・テクニック」は、人間が思わずしてしまう「考えた演技」を、「「本能」にゆだね、自らの内に生まれた「衝動」によってのみ支配された演技」に変えるテクニックです。サンフォード・マイズナーによって創始されたこの演技の基礎訓練の方法は、すべての俳優が習得すべきことだろうとマツガエは思っています。

教えてくださるのは、俳優であり演出家でもある、演技指導者のボビー中西さんと青山治さん、野田英治さんです。ボビーさんは、マイズナー・テクニックの創始者であるサンフォード・マイズナーから直接演技指導を受けた数少ない本物の日本人のひとりです。また、数々のハリウッド・スターを生み出したアクターズ・スタジオの日本人として2人目の生涯会員でもある方です。青山治さんは、ロベルタ・ウォーラック氏に師事され、 ストラスバーグメソッドを使ったキャラクター作りを学ぶ中で、ニコール・キッドマンの演技コーチであるスーザン・バトソンからも直接演技を学んだボビーさんの最も信頼する演技コーチであり、野田英治さんは、ボビーさんのところでマイズナーテクニックを学んだ優秀な指導者です。お三方ともマイズナー・テクニック・クラスでは親身に俳優たちを指導してくださいました。マイズナーテクニックを教える方は日本に沢山いると思いますが、一番大事なことは本物から教わるということです。聞きかじった人ではなく、ちゃんとサンフォード・マイズナーから教わった人から教わるということです。そういう意味では、最高の講師がここにはいます。

俳優のキャリアがあるのにいまいち突破できてないと自覚のある方、基礎的なことを改めて見直してやってみたい方、これから演技の世界に入るうえで正しいことを教わりたい方、ぜひとも、「マイズナー・テクニック・クラス」を受けてみてください。フィルムの中で、本能で生きること、衝動で行動すること、「本物としてそこに居ること」を習得し「鮮やかな演技」を映像として残してほしいと思っています。

(アクターズ・ヴィジョン代表:松枝佳紀(Matsugae Yoshinori))

※ 日本テレビ・ドラマ演出家の水田伸生さんとの座談会の中でマイズナーテクニック・クラスの話をしています。参考に一読ください→ ここをくりっく

以下に、ワークショップ概要と応募方法を記します。


【クラス】次の3クラスを予定しています。
 ・毎週火曜日夜クラス18:00-21:00 全12回クラス
 ・毎週水曜日朝クラス10:00-12:30 全12回クラス
 ・毎週水曜日夜クラス18:30-21:30 全16回クラス

【日程】
(火曜夜クラス:全12回)
2019年
10月1日、8日、15日、22日(前半4回)
10月29日、11月5日、12日、19日(中盤4回)
11月26日、12月3日、10日、17日(後半4回)

(水曜朝クラス:全12回)
2019年
10月2日、9日、16日、23日(前半4回)
10月30日、11月6日、13日、20日(中盤4回)
11月27日、12月4日、11日、18日(後半4回)

(水曜夜クラス:全16回)
2019年
9月4日、11日、18日、25日(初週4回)
10月2日、9日、16日、23日(二週目4回)
10月30日、11月6日、13日、20日(三週目4回)
11月27日、12月4日、11日、18日(四週目4回)

【場所】都内
 
【参加条件】
・なるべく休まないこと(継続参加に意味があります)。
・すでに習ったことのある人も歓迎します。
・参加できるかどうかは講師の面談によって決定します。

【面談日】9月18日10:00-18:00間の30分ほど。
※ 水曜夜クラス希望者には、こちらから個別に面談日を指定させていただきます。

【定員】各クラス最大20名

【参加費用】 毎月21,600円(税込み)

【応募方法】
まずメールにてエントリーして下さい。
メール本文に
(1)お名前(本名でも芸名でも構いません)
(2)ふりがな(お名前の読み方を平仮名でお書きください)
(3)性別
(4)生年月日(表記は1982/7/14のように年月日を/で区切り、西暦で)
(5)連絡先電話番号(すぐにつながる携帯番号をお願いします)
(6)所属事務所名、担当者名、担当者連絡先電話番号
(7)マイズナーテクニックを習得したいと思う理由
(8)参加希望クラス(火曜夜、水曜朝、水曜夜)
をお書きのうえ
本人と分かる最近撮影の写真jpgファイルで1枚添付し
メールのタイトルを「マイズナー」として、
ワークショップ事務局
actorsvisionjapan@gmail.com
までメールをお送りください。
水曜夜クラス以外は、 9月18日に面談を行い、受講していただくかどうか、どのクラスになるかを決定いたします。水曜夜クラス希望者には、こちらから個別に面談日を指定させていただきます。