佐藤佐吉監督による俳優のための実践的ワークショップ2019

女優の満島ひかりさんが名探偵・明智小五郎を女性のまま演じる異色のNHKドラマ「シリーズ江戸川乱歩短編集」を見た時、こんなにも粋な映像作品が現代のテレビドラマで放映されることに「日本もやるじゃないの」と、ちょっと誇らしい気持ちになりました。

この「シリーズ江戸川乱歩短編集」は第一弾から第三弾まで三本ずつあり、それぞれ別々の監督が担当されているのですが、2016年1月に放映の第一弾から2018年12月に放映の第三弾まで通して監督として参加されているのが、今回のワークショップの講師をお願いした佐藤佐吉さんです。この特別なドラマシリーズに監督として何度も呼ばれるのは、それは、佐藤佐吉さんが、主演女優である満島ひかりさんと製作母体であるNHKに「 演出家として信頼されているからこそ」だと言えるでしょう。

佐藤佐吉さんと言えば、三池崇史監督の「殺し屋1」「極道恐怖大劇場 牛頭 GOZU」、白石和彌監督の「麻雀放浪記2020」など、ぶっ飛んだアイディアで他に類を見ない映画を作り上げるシナリオの人として、まず思い出されます。(これらの映画は見たことが自慢になるような映画たちですから、未見の方はぜひとも見てみてください)

観た人はわかるでしょうが、佐藤佐吉さんの常識をぶっとばすようなシナリオは、見ている人を「驚かせたい、面白がらせたい」というところから来ており、それは映画の、とくにエンターテインメントの、最も根源的な動機であると言っても良いと思います。多くの製作者や監督たちが佐藤佐吉さんにシナリオを頼むのは「その思い」が他の方よりも強いからではないかと思います。

そして、その「驚かせたい、面白がらせたい」の思いを「演出家として」発揮しているのが、最初に取り上げた満島ひかり主演の「シリーズ江戸川乱歩短編集」 であり、そして「東京ゾンビ」「黒い乙女Q&A」など、ご本人が監督されている作品群です。

この佐吉さん「驚かせたい、面白がらせたい」を信頼する製作者が、次々にシナリオや監督を佐吉さんに依頼しているのが現状です。

現在仕上げ作業中の監督作品では、重要な役どころに3人の新進俳優を起用されるとのこと。また、今年から来年にかけて「海外を強く意識した作品」をいくつか監督する予定だとのことで、そういった今後撮る作品たちを豊かにするためにも「新しい俳優たちとの出会い」を真剣に求めておられるということなので、今回のワークショップを開くことになりました。

また、佐吉さんはクエンティン・タランティーノ監督の「キル・ビル」などにも出ており、俳優としても大活躍中です。如何に俳優がシナリオを体現せねばならぬかを俳優として痛感しておられる方です。今回ワークショップをするにあたって、それを単に出会いの場とするだけでなく、参加してくれた人たちには、より的確にシナリオ読解のできる俳優になってもらうべく、「俳優としてシナリオをいかに読み解くべきか」わかる読解のヒントを授けていただく予定でもあります。

「俳優にとって一番必要な能力は読解力である」そう言われているのはアクターズ・ヴィジョンの名誉校長的な位置づけにもある水田伸生監督です(参照→水田伸生監督インタビュー)。実際、演技はできるのに読解ができないことで監督の求められる演技ができずに採用されない方を一杯見てきました。いまここで、俳優としての読解方法を身につけておくのは大変重要なことだと思います。

天才佐藤佐吉監督に俳優としての存在を知っておいてもらいたい俳優諸氏、「俳優としてすべき真のシナリオ読解の方法」を教えてもらいたい皆さん。ぜひともこの機会にご参加ください!!!

(アクターズ・ヴィジョン代表マツガエ)

NHKのエグゼクティブプロデューサーの松永真一さんから今回の佐藤佐吉監督ワークショップへの応援コメントをいただきました!!!
   ↓
「佐藤佐吉さんには、乱歩シリーズ3本やってもらいました。「心理試験」「何者」「お勢登場」。どれもオリジナリティが凄い!変態チックさも格別!そして、何よりも笑いへの気合が実は凄いのだと思います。天才脚本家であり演出も天才肌。使う音楽も含め、感覚で攻めてる人。計算というよりは感覚。その佐吉さんが俳優向けのワークショップをやると聞きました。天才は学んでなるものではないけれど、話を聞けば多少は伝染るかもしれない。それを期待して参加する。それも悪くない。」(松永真一 NHK編成局コンテンツ開発センター エグゼクティブプロデューサー )

◎ 講師プロフィール

佐藤佐吉(Sato Sakichi)

1964年5月13日生まれ。大阪府出身。
大学卒業後、キネマ旬報社及び西友映画事業部に所属し、東京国際映画祭ニッポンシネマナウ部門、サンダンス映画祭in東京を企画するなど映像作家発掘に尽力する一方で自身も創作活動を開始。99年、『金髪の草原』(監督:犬童一心 主演:池脇千鶴、伊勢谷友介)にて脚本家デビュー。 以後『オー!マイキー』『殺し屋1』など話題作の脚本を手がけ、カンヌ国際映画祭にも招待された脚本作『極道恐怖大劇場 牛頭 GOZU』はブリュッセル国際映画祭にて最優秀脚本賞を受賞。 浅野忠信・哀川翔主演『東京ゾンビ』で劇場長編映画監督デビュー。 坂本龍一総合監修『にほんのうた 春の小川』ではオーバーハウゼン国際短編映画祭にて審査員特別賞を受賞。 NHK満島ひかり主演『シリーズ江戸川乱歩短編集』、池松壮亮主演『シリーズ横溝正史短編集』の演出を手掛けるほか、役者としても『キル・ビル』(03)『破門 ふたりのヤクビョーガミ』『バイプレイヤーズ』(17、18)、 PKCZ『CUT IT UP(MV)』(19)などの映像作品にも出演。 近作に斎藤工主演『麻雀放浪記2020』(2019脚本)、『黒い乙女Q&A』(2019脚本/監督)などがある。

<<主な「監督」作品>>
・NHK、シリーズ江戸川乱歩短編集『心理試験』『何者』『お勢登場』
 (出演:満島ひかり、菅田将暉、宮藤官九郎、麿赤兒、嶋田久作、田中要次)
・NHK、シリーズ横溝正史短編集『殺人鬼』
 (出演:池松壮亮、若葉竜也、福島リラ、永野
・映画『黒い乙女 Q&A』(主演:浅川梨奈、北香那)
・映画『東京ゾンビ』(主演:浅野忠信、哀川翔)
・映画『平凡ポンチ』(主演:秋山莉奈、佐藤佐吉)
・映画『東京闇虫』(主演:桐山漣、豊原功補、やべきょうすけ)
・映画『半分処女とゼロ男』(主演:しじみ、板倉チヒロ)
 ほか多数

<<主な「脚本」作品>>
・『麻雀放浪記2020』 監督:白石和彌
・『殺し屋1』 監督:三池崇史
・『極道恐怖大劇場 牛頭 GOZU』監督:三池崇史
・『トーリ』 監督:浅野忠信
・『きまぐれロボット』 監督:辻川幸一郎
 ほか多数

<<主な「出演」作品>>
・『キル・ビル』 監督:クエンティン・タランティーノ
・『地球で最後のふたり』 監督:ペンエーグ・ラッタナルアーン
・『ヤクザガール』 監督:セルゲイ・ボドロフ
・『神様の言う通り』 監督:三池崇史
・『破門』 主演:北村一輝、濱田岳
・『アカルイミライ』 監督:黒沢清
・『ジョゼと虎と魚たち』 監督:犬童一心
・『ローレライ』 監督:樋口真嗣
・『キューティーハニー』 監督:庵野秀明
 ほか多数


◎ ワークショップ概要

【日程】
2019年7月25日(木)~28日(日)の連続4日間

【時間】
昼クラス:13時から16時まで
夜クラス:18時から21時まで
 ※昼か夜どちらかのクラスをお選びください。
 ※ 4日間、基本同じ時間帯のクラスに参加してもらいます。

【場所】都内近郊を予定

【参加条件】
・佐藤佐吉監督作品に出演を希望する者

【参加費用】32,400円(消費税込み)



◎エントリー方法

【1】まずはメールにてエントリーして下さい。

「佐藤佐吉監督による俳優のための実践的ワークショップ」
参加希望の方は、
メール本文に
(1)お名前(本名でも芸名でも構いません)
(2)ふりがな(お名前の読み方を平仮名でお書きください)
(3)性別
(4)生年月日(表記は1982/7/14のように年月日を/で区切り西暦で)
(5)連絡先電話番号(すぐにつながる携帯番号をお願いします)
(6)所属事務所名、担当者名、担当者連絡先電話番号(無所属の場合は無所属としてください)
(7)参加希望クラス(昼クラス、夜クラス、いずれでも構わない)
以上、7項目をお書きのうえ
所属事務所作成(もしくはご自分で作成)のプロフィール(最近の写真付き芸歴表)を添付して、 メールのタイトルを「佐藤ws」として、ワークショップ事務局
  actorsvisionjapan@gmail.com
までメールをお送りください。

【2】書類選考を行います。

【3】合格者に入金の案内をいたします。落選者には落選のメールを送ります。

【4】入金をしていただいた方から、正式エントリーとさせていただき、集合場所や準備、スケジュールについての案内を送らせていただきます。(参加決定)